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簡易補修
目的
表紙や本紙が破れていたり、製本構造に破損が見られる脆弱な資料に対しては、当社内におきまして簡易補修作業を行っています。当社で行う簡易補修で はブックキーパー大量脱酸性化処理を安全に実施することを目的としています。したがって同処理に支障のない細かな損傷については現状を維持する場合があります。専門的な修復設備等はありませんが、紙資料に安全な材料や道具を厳選し、適切な処置が行えるよう努めています。
~腐食した綴じ金具の除去・綴じ直 し~
~破れや欠損等の繕い~
ホチキス等の綴じ金具が著しく腐食している場合や、腐食が軽微であっても綴じが脆弱な場合は、綴じ金具を除去し、麻糸やこよりで綴じ直しを行います。綴じ穴については、できる限り既存の綴じ穴を利用します。写真のように腐食が甚大で綴じ穴の再利用が困難な資料は、新たな綴じ穴を開けて綴じ直す場合があります。
破れや欠損等に対しては、原則として和紙と正麩糊を用いた繕いを行います。褐色化した酸性紙の場合は、本紙の色合いに近しい和紙を使用する場合があります。
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破れの繕い補修前
破れの繕い補修後
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破れの繕い補修前
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~フラットニング~
~補修製本~
本紙や表紙の折れやしわは、軽く水分を与えながらフラットニングを行います。なお、インクで記載された資料等に対しては、事前にスポットテストでインクが滲まないかを確認します。破れや欠損等などは、フラットニングを施した後に補修します。
当社では、現状の表紙や背表紙を生かした状態で製本構造を補修する「補修製本」を提案しています。
上記写真の補修過程としては、表紙を一旦取り外し、古い背紙や接着剤を除去します。そして、背に溝をつけて麻糸を接着し、寒冷紗、クーターを新調、寒冷紗の羽部分を表紙に再接着し、見返しを貼り戻して完成となります。
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補修製本前
補修製本後
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補修製本前
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